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10月18日7時30分から大船渡市内全域で行われた防災訓練。
これまで、大船渡市の防災訓練は地震・津波を想定したものでしたが、豪雨災害が多発していることや地域の要望を受けて、初めて豪雨による土砂災害や洪水を想定して行われました。
ありがたいことに、私は防災士として、FM「ねまらいん」さんのスタジオから、防災訓練に参加する機会をいただきました。
「FMねまらいん」さんは、2013(平成25)年4月5日に開局したコミュニティFM局です。「ねまらいん」とは、この気仙地方の方言(気仙語)で「ねまる」(座る) からきており、「ねまらい~ん」(ちょっと座って休んで) と、「NEMA」(ねまる) +「LINE」(ライン)=ゆっくり座って聞いてもらいたい(ラジオでつながる)という意味が込められています。
「FMねまらいん」さんHPより
2011(平成23年)3月11日の東日本大震災後、同年3月31日に臨時災害放送局(おおふなとさいがいFM)が開局し、2013(平成25年)3月30日に閉局した後、大船渡市が防災情報通信基盤にて整備した環境を基に、コミュニティFM放送局を立ち上げ、民間が運営する「公設民営方式」で運営をしています。
数年前にも一度、出させていただきました。その時は収録したものを編集して放送していただいたのですが、それでも、とても緊張したことを覚えています。(そのときも何度も噛んでしまったのですが、名前がいけなかったのでしょうか…。乾燥フルーツComeCome(カムカム)でしたから(笑))
今回は、「生放送」。しかも、防災訓練!
ねまらいんのスタッフさんが、こちらの緊張をほぐしてくださる意味も込めて、事前に質問事項を教えてくださったり、打ち合わせもしてくださったのですが…。
お声がけくださった「ねまらいん」さんにご迷惑をおかけしないように、「防災士」の名を汚さぬようにと思えば思う程、緊張感と不安は高まるばかり。この緊張感と不安を払しょくするには、「事前の準備しかない」と、防災の本を読みなおしたり、大船渡市の浸水想定区域の地図も見直しました。
改めて地図を確認すると、同じ市内でも災害リスクは異なることを痛感し、
地図上だけでは想定しきれない危険箇所を、実際に通りながら確認してきました。
行ってみると、やはり、地図上では見えなかった、把握しきれなかったことが たくさん見えてきました。
普段、通っている道でも、「豪雨災害」を意識し防災のアンテナを高くして走ってみると、いろいろな気づきがありました。
前日は、緊張でほとんど眠れませんでした(笑)
FMねまらいんさんのスタジオに向かう途中、各地区の地域の自主防災組織の方々や消防団の皆さんが、すでに訓練の準備をされていました。
同じ地区、場所にいなくても、「これから一緒に、防災訓練をさせていただけるんだなぁ」と、背筋が伸びる思いがしました。
防災訓練が始まる前に、心強いスタッフさんとパーソナリティーさんと打ち合わせをさせていただきました。
「あっ、ラジオで聴いたことがある声!」と、感激していたのは最初だけ。どんどん緊張感は、どんどん高まり…。緊張で喉が渇くのですが、1時間半の生放送のことを考えると、水分を摂ることを控えました。
パーソナリティーさんは、こういう緊張感の中で、毎日お仕事をされていらっしゃるのか…と気づかされ、打ち合わせの段階で感服。
想像してもしきれない、表からは見えないご苦労やお仕事の大変さを知ることができました。想像力や視点の幅を広げていただけて、とてもありがたかったです。
いよいよ、本番!
打合せ通りの質問に応えるだけで、私は、一杯いっぱい。それなのに、パーソナリティーさんは、指示や時間配分、私への質問、生中継、音量調整などを並行してこなされていました。(マルチに対応されてて、本当にすごかったです)
生放送中、都会に住んでいるご友人の話を例に、「災害に備えて日頃から心がけておくべきこと」「避難所へ行くことをためらう気持ち」について、質問されました。
そのパーソナリティーさんは、私の姪っ子と同じくらいの年代だと感じたのですが、「知らない人ばかりの土地で災害にあってしまったら…」と、都会に住む友人を心から心配しているご様子と、真剣な眼差しで大船渡の防災・減災について考える若い方の姿に、私の中のギアがググっと上がったのを感じたのです。
それまでも、「ギアは全開」だったと思っていたのですが、「まだ、ギアを上げることができるんだ」と自分でも驚きました。その時は、余裕がなくて思えませんでしたが、今思えば、「人と人との化学反応」を体感できた瞬間だったのだと思います。
防災訓練、生放送という経験だけでもありがたいのに、「化学反応」のような貴重な体験をさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。また、事前の準備をしたことは、自分自身の防災訓練になりましたし、大船渡の減災対策について、たくさんの気づきをいただきました。
FMねまらいんのスタッフさん、パーソナリティーさん、たくさんお世話になりました。本当にありがとうございました。
さらに、今回の「FMねまらいんさんの生放送を通じての防災訓練」に関して、市役所の担当部署の方にもお世話になっていたことを、後日知りました。
知らないところでいろいろな方にお世話になっていたことを知り、とても感激しました。
直接お礼はできませんが、大船渡の防災・減災に少しでもお役に立てるように、微力ながら今後も努めてまいたいと、決意を新たにしました。
大変お世話さまでした。ありがとうございました。
▼岩手県 河川情報システム
https://www.pref.iwate.jp/kendozu…/kasensabou/…/1009819.html
▼川の防災情報 :全国概況
https://www.river.go.jp/
地域を選択して、河川の水位と雨量の状況、浸水想定区域図を確認することができます。
■河川水位のメール配信サービス(岩手県庁HPより)
川の水位が高くなり、洪水の恐れがあるときメールで知らせてくれます
盛岡、花巻、奥州、一関、千厩、大船渡、遠野、釜石、宮古、岩泉、久慈、二戸、各地域ごとに登録可能
■いわてモバイルメール(いわて河川情報)受信登録
まとめて受信登録したい場合は、次のリンクから受信登録するのが便利です。
以下の情報は、浸水想定区域だけでなく、「浸水継続時間」も掲載されています。
こちらは、もしものときの食品・生活用品・薬等の備蓄量の参考になる、大変重要な情報です。北上川がある地域にお住いの方には、ぜひ、チェックしておいていただきたいです。
■想定最大規模降雨による浸水継続時間
国土交通省 岩手河川国道事務所HP
▼岩手河川国道事務所 洪水浸水想定区域(北上川水系)
【北上川水系全体】
・北上川水系北上川
・砂鉄川
・磐井川
・人首川
・胆沢川
・和賀川
・豊沢川
・猿ヶ石川
・雫石川
・中津川
想定最大規模降雨による洪水浸水想定区域図
計画降雨規模による洪水浸水想定区域図
家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流、河岸侵食)
災害には、ある程度予測可能なものと予測できないものがありますが、気象情報や雨量、河川の水位の情報は取得することができます。
ということは、「事前の対策(減災)が可能」ということです。
「減災対策」が可能なら、できる限りのことをしておきたいですね…