• レジリエンスな社会、生き方、育て方。個人と組織のパフォーマンスアップにつなる情報サイト。(一社)トータルセーフティネット。岩手大船渡の防災士・産業カウンセラー

防災教育(岩手県遠野市-中学生2017.12)

「防災教育の一環として」ということでしたので身に余る重責でしたが、いわての復興教育プログラムや文部科学省の防災教育のねらいを読んで、防災と心理を組み合わせた私なりの「生きる力を育む」内容を考えてお伝えしました。

正解がない防災グッズ作りのねらい

■安全な行動にむすびつけるための知識


・災害のメカニズム
・生徒さんが住む地域の特性

■危険予測・主体的な行動ができるように


・災害時の人間の行動心理
・集団心理にとらわれない
(見てみぬふりをせず行動を起こす勇気をもつ)

■発想力、想像力、レジリエンス力を育む防災グッズ作り


身近なもので防災グッズ作りを行うとき、毎回必ず伝えることがあります。それは…

作り方を覚えようとしないこと!」です。

その理由は、

  • 「作り方を教わる」という受け身の姿勢は、忘れやすい
  • 本当に必要なときに、「あれ~、どうやって折るんだっけ」と、思い出すことに意識がいってしまうから
  • 作り方を思い出せないと、「あ~忘れちゃった」と作ることを諦めてしまうことが多くなるから

スリッパでも食器でも必要なものをイメージしながら、これまで得た知識と想像力に“目の前の困っている人を助けたい”という想いが加われば、ひらめきが生まれ、唯一無二のオリジナル防災グッズをつくることができると思うからです。


形の整ったグッズにならなくても、足が冷たい人がいたら、新聞紙でつま先をくるんであげたり、寒くて震えている人が入たら、服と下着の間に新聞紙を入れてあげるなど、避難した先に備蓄品がなかったとしたら、その場にあるモノで工夫して救助が来るまでの間、乗り越えるしかないからです。


発想力、想像力を育むことだけでなく、自分の考えを表現する勇気、失敗を恐れず何度も挑戦すること、困難を乗り越えられる力を身につけてもらうことです。

■発想力、想像力を育む
■自分の考えを表現する勇気
■失敗を恐れず何度も挑戦する
■困難を乗り越えられる力


近年は様々な災害が多発しており、先行きが不透明な時代です。

生まれたときからボタンひとつでご飯が炊けたり生活できる環境で育ってきた子ども達が、そのような予測できない多様な事態を乗り越えていくときに必要なものが、上記のことで、それが子ども達の生きる力に繋がると思うからです。

出会いのおかげで知った|遠野市さんの沿岸被災地後方支援活動

遠野市の過去災害や地域の特性について調べていたら、市民ボランティアさんが震災の翌日に沿岸地域へ励ましのメッセージと一緒におにぎりを届けてくれていたことや、「沿岸に何かあれば遠野が助ける」という意識で震災前から「沿岸部の後方基地」を担うための訓練を実施してくれていたことを知り、とても感激しました。

このことは、郷土愛や地域を誇りに思う気持ちにもつながってくれたらという想いを込めて、生徒さんにもお伝えしました。もちろん、沿岸に住む者としての感謝の気持ちと一緒に…。

このような機会をいただいたおかげで、震災時に県内外からたくさんの支援を受けていたことを改めて知ることもできましたし、なによりも生徒さん達や先生方との出会いをいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

東日本大震災で、遠野市さんが官民一体で取り組んでくださった沿岸被災地後方支援活動について、もっと詳しく知りたくなりました。遠野市へ行ったら、『3.11東日本大震災 遠野市後方支援資料館』に立ち寄ってみたいと思います。

もうすぐ、人生初の試練ともいえる高校入試。生徒さんの「15の春」が笑顔満開の春になりますように…。(2017年12月)

先行き不透明な時代|大人のアナタはどう生きる?

with コロナ 時代(2020年7月)

災害ではありませんが、これまでの日常が当たり前ではなくなってしまいました。新しい生活様式の中で、今後の活動の仕方などを模索しているところです。

防災講座やワークショップを通じて、子ども達に、「防災の知識だけでなく困難を乗り越える力を身につけてもらいたい」と思って活動してきました。

「withコロナの時代、大人のアナタは どう生きるのですか?」と、問われているような気がしています。

人生に正解・不正解はなくても…

「人生に、失敗はない」と思っていますが、人生の参考書もない中で、どっちの道を選んだらよいか、どれを選択したらよいか何歳になっても迷います。

正解・不正解がない人生だからこそ、自分の価値観や基準で「何でもあり」にすることも可能です。

そんなときは…
■法律や規則に反しないか?
■誰かを傷つけたり、悲しませるようなことはないか?



この2つを自問して、どちらもYesだったら、「その道は、行ってもOK!」としています。それでも、自分が気づかないところで誰かを傷つけているかもしれませんが…。


でも、周りから見えない、その本人しかわからないからといって、誰かを傷つけたり、力関係で人をコントロールするような人にはなりたくないです。

いろいろなことを抱えているときに傷つけられると、正直、しんどいくなります。ですが、それでも「傷つけるくらいなら、傷つけられた方がいい」と思っています。

様々な価値観、生き方があることを知っている大人でも しんどくなります。でも大人の私は、その人から距離をとることや、その環境から離れることや別のことでストレス発散することができます。

でも、家庭と学校の2つの世界だけしかない子どもは…。
自分で環境を変えることもできませんし、その方法も知らないかもしれません。

困難が続き、努力が報われないこともあるから…

スタンダード(岩手スポーツマガジン)


3年前の防災講座で出会った中学生は、今、高校3年生です。
スタンダード(岩手スポーツマガジン)には、岩手県内の高校生チームが紹介されています。

今月のチーム紹介には、新型コロナの影響で引退が早まった3年生のコメントも掲載されていました。

読んでいて、震災のときとはまた違った、やるせなさを感じました。どうして、子ども達に何回もこんな思いをさせるのか…、代われるものなら代わってあげたいです。

「人生 山あり谷あり」といいますが、新型コロナに限らず、異常気象や地球温暖化(※)のことも考えれば、子ども達がこれから生きていく世の中は、これまでの大人が経験した「山あり谷あり」の想像をはるかに超えていくような気がします。

そうなったときも、また、私は子ども達に何もしてやれないと思います。悔しいですが…。

そのときに、心が折れて、生きることを諦めてしまわないように、困難なことが何度起こっても変化に対応し、生きることを諦めない 強靭さ としなやかさ(レジリエンス)を身につけてもらうことしかできないのではないかと思います。

それがまた、転んだり失敗したときの立ち上がる力にもなると思うからです。

新しい生活様式の中、子ども達が何度でも立ち上がれる力をどう伝えていけるのか、私もくじけずに考え続けていきたいと思います。

※地球温暖化
温暖化が進むと、気候変動によって台風が強大化したり、ゲリラ豪雨などが増えるといわれています。気温が上がれば、空気の温度も上がり、大気中の水蒸気の量も増えるからです。