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    災害用水・食料備蓄、学校の3割(文科省調査)

    日本経済新聞2013/3/30付

    これは、7年前の2013年、
    文部科学省が行った安全調査の結果です。
    (今なら、もう少し備蓄率は高まっているかと思います)

    全国の学校で大規模災害を想定して飲料水や非常食を備蓄しているのは約3割にとどまることが29日、文部科学省の学校安全調査で分かった。

    全国の国公私立の小中高校や幼稚園など計5万329校を対象に、昨年3月末時点の防災対策状況を調べた。

    備蓄状況は飲料水が34%、非常食が30%、毛布・寝袋が29%、医薬品は55%。3割の学校は水・非常食や防災用品などを一切備蓄していなかった。公立校よりも私立校の方が備蓄率が高くなる傾向があった。

    引用:「災害用水・食料備蓄、学校の3割  文科省が全国で安全調査」、『日本経済新聞』、2013 年 3 月 30 日
    電子版(https://www.nikkei.com/article/DGXNZO53393350Q3A330C1CC1000/ 閲覧日:2017 年 5 月 16 日)

    内閣府「防災情報のページ」平成25年版 防災白書|第1部特集2(4)備蓄に関する取組

    http://www.bousai.go.jp/…/hakusho/h25/honbun/1b_0s_02_04.htm

    「避難所指定とならない限り、県費による備蓄品の購入ができない。生徒の緊急用食料の購入さえも予算がない(避難所運営全般―岩手県より)」


    上記の情報を見ると、
    学校の備蓄に関しては、今のところ私費に頼るしかようです。

    東日本大震災後、
    おそらく多くの学校で
    防災用品や食料備蓄を検討されたと
    思いますが、公立校の備蓄率が
    低い理由はいろいろありそうな気がします。


    震災前~震災後、
    私は公立校と私立校(大学)の
    非常勤職員をしておりました。
     
    当時のことを振り返りながら、
    学校のことが少しわかる立場、
    防災士、保護者の立場で、
    私立校と公立校の食料備蓄について考えてみたいと思います。


    私立校の方が備蓄率が高くなるのは、
    購入費用を徴収したり寄付金などによって
    防災対策が柔軟に行える環境が整っているからだと思います。

    公立学校は、備蓄食料分として
    PTA会費等を徴収しなければならない、
    食料備蓄の管理業務が増えるなど、
    備蓄率が上がらない理由はいろいろ考えられそうです。

     
    実際、
    子どもが私立校に通っている知人は、
    「避難所指定されている学校に、
    防災用品や食料が備蓄されてないなんて…」と驚いていました。

    避難所指定となる
    公立校の備蓄に関しては、
    自治体が備蓄と管理を行うという
    地域もあるようですので、学校にだけ
    この対策を押し付けてはいけないような気がします。

    震災後、食料備蓄が必要だと痛感した出来事

    2013年の遠隔津波

    2013年、
    海外の大地震によって
    遠隔津波の注意報が発令されました。

    注意報が解除されるまで
    学校待機となった生徒や教職員、
    体育館に避難してきた地域の方のために、
    先生や用務員さんが食料調達に行ってくださいました。
    (注意報の解除は夕食時間も過ぎ、
    何時になるか予想がつかないため
    買い出しに行かせたようです。
    その時の購入費は、校長先生が
    負担していたように記憶しています)


    後日、
    「遠隔津波だから すぐに津波は
    来ないということは分かっていても、
    あのサイレンが鳴り響く中
    浸水想定区域にあるスーパーへの
    買い出しは とても怖かった」と、
    食糧調達に行かれた教職員の方々が
    おっしゃっていたことを覚えています。

    学校が避難所になると、
    児童・生徒、地域の方への対応、
    体育館の避難所開設の準備…様々なことがあります。
    学校に限らず避難所となる施設等もそうなるかと思います。


    災害時や有事は、
    定期的に訓練していたとしても
    想定外のことが起こりやすいですし、
    一人でも多くの人員を現場に確保して
    おきたいのは、どこの現場でも同じだと思います。

    ましてや、学校は、避難所になり、
    そこにいる人たちの命を守る場になりますから…。

    そのようなとき、各学校・施設で
    1食でも2食分でも備蓄食料があれば、
    もしもの時の現場の負担を減らすことができます。

    断水で給食が作れなくなることも

    また、災害ではありませんでしたが、
    学校が断水したこともあります。

    このときは幸い、「給食後の断水」
    でしたので、子ども達は午後の授業も
    受けて帰ってくることができました。

    もし断水が、午前中で給食を
    作っている時間帯だったら…。
    お昼を食べることができないので、
    急きょ「子ども達は午前授業で下校」
    ということになっていたと思います。


    災害に限らず、
    このような「想定外なこと」に備えておくと、
    もしものときも慌てることもなく安心です。
     

    もちろん、東日本大震災でも…

    普段、私は、飴などをカバンに
    入れていることが多いのですが、
    3.11の発災後、私はそのカバンを
    持たずに行動していました。

    そして、その後、避難した先で
    翌朝まで過ごすことになってしまったのです。

    停電で電気がつなかい体育館。
    地震によって立て付けがわるくなり、
    引き戸が閉まらなくなり隙間風が
    吹いてくる入口もありました。
    その中で、子ども達は保護者のお迎えを待っていました。

    通学路は、がれきで塞がれたり
    通行止めになっていたので、
    体育館に迎えに来れた保護者は少なかったと記憶しています。
    迎えに行きたくても、
    行くことができなかった保護者がたくさんいました。

    暗く、寒い体育館で、
    お家の人が迎えに来るのか
    不安の中での余震と空腹。

    中には、空腹と脱水で
    具合がわるくなる子ども もいました。
    「いつも持ち歩いている、飴でもあれば…。」と、
    悔やんでも悔やみきれませんでした。


    目の前に、不安で怯えている子どもが
    目の前にいたら、誰もが手を差し伸べたい
    気持ちになると思います。

    暗さ、寒さ、余震からの恐怖、空腹。
    この中で「目の前の人を助けたい」という思いを
    誰でも簡単にカタチにできるのが「食」だと思うのです。


    お腹がすいていた子ども達も
    大変な思いをしましたが、子ども達に
    「お腹すいたょ…」と言われても、
    何もできなかった周りの先生方や
    大人もつらかっただろうな…と思います。

    避難した先に、食料があるとは限りません。
    もしもの時のために、不便や不安を
    解消するものを全て揃えるのは
    ハードルが高いかと思いますが、
    ちょっとした食べ物を携帯したり
    備蓄することは、今日から  誰でもできる手軽な減災対策です。

    経験したからこそ伝えたい、食料備蓄のポイント

    食料備蓄といえば、
    「常温で長期保存できる保存食」を
    思い浮かべるかもしれませんね…。


    備蓄食料の保管場所(余裕教室)がない
    学校、購入コスト、小分けになっていて
    食べる量を自分でコントロールできる、
    救援物資が届くまでの間、一人でも多くの人が
    水分・食料がいきわたるような点と、
    東日本大震災を経験した者として、以下を満たすものをおすすめします。
     

    コストゼロで学校の食料備蓄をする方法

    「コストゼロで、
    どのように備蓄食料を調達するのか?」と
    思われるかと思います。
    その方法は、以下の通りです。

    ★勝手に提案!【「コストゼロ」の学校食料備蓄対策】
    ■水と常温で保存可能な栄養補助食品を持ち出し袋に入れ、各自ロッカーで保管

     ■学校行事(避難訓練、防災教育、クラスマッチ、文化祭準備の日など、各学校で指定)の日を簡易昼食日として、①の備蓄食料とおにぎり等にする

     ■上記の簡易昼食の日は、補充用の備蓄食料も持ってきて、また保管する

    ご家庭で普段使いの食品を
    食べながら備蓄する「ローリングストック」を
    実践されている方であれば、ピンとくるかと思います。


    これは、ローリングスットックを学校の食料備蓄用にアレンジしたものです。


    この方法は、
    「児童生徒の備蓄分を各家庭に購入してもらい」
    「学校に保管して、学校の行事で食べる」、
    学校・児童生徒・保護者で一緒に取り組む防災対策です。

    学校,家庭(子どもと親),世間,「三方よし」になる理由

    購入費を負担する保護者は理解してくれるか?


    ★気になる、各家庭の負担額は?
    【児童生徒1食あたり およそ¥500】
     内訳:飲料水(¥100)、栄養補助食品(¥150)、ゼリー飲料(¥200)


    ★2食分を用意してもらうと およそ「¥1000」です。


    ↑といっても、この購入費が
    無駄になることはありません。
    購入した食料と飲料水は、
    「もしもの時の子ども達の大切な食事」になるからです。

    「子ども達の食事を事前に預けておく」
    ということですので、備蓄専用の食品のように
    賞味期限が切れたら食品ロスになることも、
    購入費が無駄になることはありません。


    小学生・・・8時間~9時間
    中高生・・・10時間~12時間
    (子ども達が学校にいる時間)


    登下校の時間を合わせれば、
    家よりも学校にいる時間が長い日もあると思います。

    子ども達が長時間過ごす学校にも、
    もしもの時の用品と飲料水と食料を
    備蓄しておくことは、学校だけでなく、
    お子さんとおうちの方の安心を増やすことにつながります。

    このようなことをお伝えすれば、
    きっと多くの保護者が理解してくれると思います。

    ★私が考える「三方よし」になる理由
    【学校よし】
     ■購入費用の負担なしで災害用水、食料備蓄ができる
     ■毎年、消費するので、備蓄専用のような管理が無用
     ■備蓄食料の廃棄ロスの心配がない
     ■災害時の食料調達の不安がなくなる
     ■心配事が減って安心が増える

     【保護者・生徒よし】
     ■災害時・有事でもビタミン・ミネラルの補充が可能
     ■食べなれている味なので、食べやすい
     ■食料が備蓄されていることによって、体調面の不安が軽減
     ■自然にローリングスットックの習慣が身につく
     ■学校食料備蓄対策によって定期的に防災・減災の意識づけになる
     ■簡易昼食日によって、お弁当作りの日が減る(保護者メリット?(笑))

     【世間よし】
     ■食料備蓄対策で悩んでいる全国の7割の学校を救える⁉
     ■「岩手式・食料備蓄対策」として発信し、全国からいただいた ご支援への恩返し


    保存専用の食料じゃなく、スポ少、部活等で
    子ども達が食べなれているものだから、
    コストゼロで三方よしの食料備蓄が可能になります!

    家庭に準備してもらう備蓄食料の一例

    子ども達に賞味期限を管理、意識させることで得られる波及効果

    賞味期限や安全係数について
    知ることを通じて、食品ロスや
    環境問題など、学びを広げることもできること思います。

    また、子どもが保護者に
    話すことによって、各家庭での
    食品ロス削減への波及効果も期待できると思います。
     

    学校に避難してきた地域の人が食料を持参していなかったら?

    持ち出し袋等に食料を入れて
    避難してくる方ばかりとも限りません。
    たまたまその近くを通っていて、
    避難してきたという人も少なくありません…。

    また、災害が大きかったり、
    複合災害の場合、行政の方も
    すぐに駆けつけたり食料を
    持って来てくれるとは限りません。

    災害時や有事は、
    訓練や想定している通りには
    いかないものと思っておくことや、
    「事前準備のもれ」がないか、
    避難訓練などで定期的に見直しておくと、
    もしもの時もあわてずにすみます。

     
    ★トラブル回避として
    災害時や有事は、
    みんなで共に助け合う(共助)ことの
    大切さを誰もが感じることなので、
    苦情などを言ってくる方はいないと思うのですが…。
    もしも心配でしたら、
    事前に「もしものとき、
    食料を分け与えてもよいか」などを
    保護者に確認しておくと良いかもしれません

    学校と家庭が一緒に対策することによるメリット

    子ども達や地域の方の命と安全を
    守ってくださる教職員の皆さんも、
    「保護者の立場」である方も少なくありません。
    それでも災害時は、
    目の前の児童生徒の命を一番に行動してくれます。

    また、同じように有事や災害時、
    緊急連絡網で学校から連絡がきても、
    職種によっては、目の前の患者さん、
    利用者さん、児童生徒、お客さん、
    従業員などの安全を守るため、
    すぐに駆けつけられない保護者の方も少なくないと思います。

    おそらく、
    「すぐに迎えに行ってあげたいけど
    行けないジレンマ」と
    「不安な気持ちでいっぱい」だと思います。
    震災の時もそのような親御さんがたくさんいました。


    そんなとき「学校にいるから大丈夫」と
    思うことで、目の前の人の命と、
    そのときにすべき仕事に集中できたと言っていました。

    ご自分の家族の安全確認よりも
    なによりも、目の前の子ども達の
    安全を第一に対応してくださっている
    先生方の心身の負担が
    少しでも軽減できるよう、
    保護者や地域の方と一緒に
    考えていくことも必要ではないかなと思います。


    それと同じように、
    現場をすぐに離れられない
    保護者の方の職場でも、
    その施設を利用する
    家族や地域の人達と一緒に
    防災対策に取り組んでくれたら…。

    学校、家庭、地域みんなで
    負担を分け合い、
    共に助け合える(共助)、
    小さな減災ネットワークが地域全体に
    広がっていったら、きっと、
    その地域の減災力も向上していくと思います。


    子ども達の防災・安全対策を
    一緒に考える機会を通じて、
    学校と家庭の共通理解が深まり、
    さらに、学校、家庭、地域のつながりと
    絆も強くなってほしいと願っています。


    それがまた、子ども達にためになり
    レジリエンスな社会につながるのですから…。
    この情報が、子ども達の安心や学校や
    地域の防災対策に少しでもお役に立てれば幸いです。
     

    ★レジリエンスの意味は、「復元力」「逆境力」「再起力」などです。