• レジリエンスな社会、生き方、育て方。個人と組織のパフォーマンスアップにつなる情報サイト。(一社)トータルセーフティネット。岩手大船渡の防災士・産業カウンセラー

「生徒さん達に、災害時での対応力を身につけさせたい。」とのことで、今年度はHUG(避難所運営ゲーム)をさせていただきました。HUGは、避難所となった体育館や校舎に避難者を受け入れるなど、グループで避難所運営を疑似体験することができます。

私がこれまでに体験したHUG(避難所運営ゲーム)

■ゲーム中はグループ内で運営に集中
■ゲーム終了後、各グループでの気づきや難しかった点等を全体で共有
     
《吉浜中学校さんで行ったHUGでのアレンジ》
①震災当時の実際の避難所の状況、避難所運営上での「ヒント(情報提供)」を出しました
②①の情報をもとに、避難所開設前の話し合いの時間を多めにとりました
③避難所運営ゲーム開始前に、各グループの「体育館の出入り口の場所、通路、避難者受け入れ態勢」を共有
④ゲーム途中にも、各グループの運営状況を共有

アレンジした理由

■「ゲーム終了後の各グループでの振り返りと全体共有」は、避難所運営について何度も研修できる機会がある団体(自主防災組織等)ならば有効な方法であるが、単発でおわる防災学習での「学習時間終了直前での振り返り」は、それを活かしきれないのではないかと感じていたから
  
■年1回の防災学習での体験、避難所運営を疑似体験できる機会が今後あるのかどうかわからない生徒さん達には、今回の防災学習でより多くの気づきや対応策を知ってもらうことが必要
     
■ゲーム中でも運営の見直をしながら、よりよい避難所運営を疑似体験してもらいと思ったから
   
■吉浜中学校の生徒さんと来年度も確実にお会いできる保証もなく、「これきりかもしれない」「あのとき伝えておけば良かった」と後悔したくないと思ったから

生徒さん達の工夫

■高齢者、足腰が弱い人を生活しやすく、トイレが利用しやすい場所に
■妊婦、介護などのサポートが必要な人がいる部屋に、その職に携わっている人も一緒に
■避難所で周知すべき事柄に、一言メッセージを添えたりしながら伝えていた…など、初めてとは思えない程の運営をするグループばかりでした

HUGに必要なもの

■避難者カード…性別、年齢、国籍、避難してきたときの状況や個別の事情が記されているカード
■避難所となる体育館の平面図
■避難所となる校舎の見取り図
■各教室と見立てた平面図

上記は、こちらで準備できるものですが「より実践的な内容にしたい」とのことで、吉浜中学校さんの体育館、校舎の見取り図、各教室の平面図などを8グループ分、先生方が準備してくださいました。
    
また、HUGの中身については私が担当し、防災学習の進行は副校長先生が行ってくださいました。「この時間は短めの方が良いかも…」など、普段、生徒さんと関わっている先生方だからこそわかる感覚がありますので、とても助かりました。
8グループ分のご準備は、とても大変だったかと思うのですが、副校長先生は、「自分の学校の子どもなので、任せっきりじゃなく教職員みんなで関わるべきだと考えている」と。
   
防災学習の振り返りで校長先生からは、「HUGも生徒たちは初めて取り組むことなので、今回は、混乱したまま、理解できなくても それはそれで生徒にとっての良い経験になると思っていた。指示されたことをするだけではなく、自分で考えて行動できるようになってほしい。だから今回できなくても、また次の機会に1回目よりもスムーズにできたり、さらなる気づきや学びが得られれば…」と話してくださいました。
     
「この子たちは成長の過程の中で、必ず自分たちで学びを深めていける」と、生徒さん達への絶対的な信頼感が伝わってくるのと同時に、「運営上のヒント(震災当時の情報)」を伝えなくても良かったかも…と反省しました💦
と気づけるのも、お忙しい中、事前の打合せや振り返りのお時間をとってくださらるからこそです。学習時間もですが、このようなお時間をつくってくださったことも、とてもありがたかったです。
        
吉浜中学校さんは来年度、ほかの2校と共に編入し4校が統合して1つ中学校になります。編入先の学校はもともと3校の小学校から生徒さんが集まってますので、7つの地区の生徒さん達と一緒に学校生活をおくることに…。
   
打ち合わせや防災学習後の振り返りでのお話から、統合した先での生徒さん達を想う気持ちがひしひしと伝わってきました。
「躊躇することなく、失敗を恐れることなく様々な経験をしてほしい」と。吉浜中学校の生徒さんのこと、私もこれからも陰ながら応援していますからね!
吉浜中学校最後の防災学習を一緒にさせていただき、とても光栄に思います。このような機会をくださって本当にありがとうございました。
生徒さんの振り返りの時間まで取材してくださった東海新報の記者さんにも感謝いたします。